告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
「愛理、ごめん」
「…………なに?」
「勝手だと思う。けど、愛理のそういう言葉に応えることはもうやめる」
「……え」
声が震える。待って、どうして……?
私の動揺が伝わったはずなのに、奏多はしっかりとした口調で話を続けた。
さっきまでうるさいくらい鳴いていた蝉の声が止まる。
「愛理は、そんなこと言う奴じゃないから」
「…………え」
「本当は、優しくて誰かを傷つけるのを怖がって、なかなか言いたいことも言い出せない奴だから」
「…………」
「きっと、言いたくないのに。俺の存在がそうさせてる」
奏多と視線が合う。その瞬間思い出した。
────そうだ、奏多のこの目は、私を心から信頼している目だ。
こんな嫌な私になっても、奏多は私のことを心から信じているんだ。