告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
「奏多、ありがとう。私はもう一人で平気」
「……そうか」
「なんか、目が覚めた」
「目が覚めた?」
「────奏多は、あの子が好きなんだよね?」
奏多は目を見開いた後、グッと口を結んでゆっくりと頷いた。
私は、謝らなきゃいけない。
「ごめん。私あの子に花火大会で、奏多を奪わないでって言っちゃったの」
「え」
「ごめんね。あの子にも謝っておいて」
「……分かった。告白するときに言っておく」
何度も頷く奏多を置いて、私はベンチから立ち上がる。
なんだか気持ちも身体も軽いし、涙も出ない。目が覚めた気分だ。
これからも、私は奏多に気持ちを告げることはない。家族のポジションに留まることにする。だって、ここまで深く信用されてたら、裏切れないもん。
「奏多、ありがとう」
「……別にいいよ」
「邪魔してごめんね」
「仕方ない」
「応援、してるから」
────さよなら、私の恋。