告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
────プルルルル
『一番線に、電車が参ります』
朝の通勤通学ラッシュの時間帯、私は駅のホームでスマホを見つめ、奏多くんへのチャットの文章を考えていた。
直接伝えたい、だから二人で会いたい。
けど、あんなに傷付けたのに都合が良い気がする。けど、もうなりふり構っていられない。とにかく、早く連絡しよう。
ホームに滑り込んできた電車に乗り込み、いつもの定位置のドア付近に立つ。そして、ドアの向こうを見た瞬間私は固まった。
「奏多くん」
────駅の階段から、奏多くんが降りてきた。こっちに気付いていない。
どうしよう、話したい。けど、こんなに人がいるし恥ずかしい。けど、けど……。
「奏多くんっ!」
ドアが閉まる寸前、私は電車から飛び出す。
ホームにいる人達の視線が一気に私に集中した。けど、その中で一つだけ私に駆け寄ってくる姿があった。
「凛子、こっち」