告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
奏多くんの私を呼ぶ声は上ずっていた。
人の多いホームから手首を掴まれ連れ出され、そのまま階段を登り、駅構内を抜ける。そして、駅前の広場まで辿り着く。
久しぶりに触れられた場所が熱い。けど、離して欲しいとは思わない。
自然と赤くなる頬に俯きたくなったけど、それをせずに奏多くんを見上げた。すると、奏多くんも同じように頬を赤くして、私を見つめていた。
「奏多くん、あの……あのね」
「……うん」
「私、ずっと考えてたの。奏多くんが、どうしたら幸せか」
「…………」
「色んなことを考えすぎて、私がいるから奏多くんは、悩んじゃうんじゃないかって……だったらやめようって思ったの。なのに」
────悩んで悩んで、決めた。なのに。
鼻がつんとする。言葉が上手く出ない。けど、奏多くんの視線がとても優しくて、ちゃんと伝えないとって、心が騒ぐ。
ちゃんと言え、伝える、伝わえなきゃ。