告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
私を抱き締める腕が解かれる。人一人分の距離を空けて、奏多くんは猫のような大きな目で私を見つめて、愛おしそうに口を開く。
「凛子が大好きだよ。俺の彼女になって下さい」
ポロリと涙溢れる。幸せ過ぎて止まらない、視界が揺らめく。頬に余計に熱が集まる。
私は顔を両手で覆い、ゆっくりと噛み締めるように頷いた。
「私も、奏多くんが大好き。よろしくお願いします」
同時に手を引かれ、再び抱き締められた。今度はその背中に私も腕を回す。
こんな幸せが待っているなんて、ちょっと前の私は少しも想像していなかった。
りんごブスと呼ばれ、トラウマで男子が苦手になり、コンプレックスだらけの自分が大嫌いだった。
けど、奏多くんと出会えて、こんな自分が少しずつ好きになれた。
「りんごみたい。可愛い」
赤い頬にキスを落とされ、涙を拭われ微笑まれる。
きっともっと、これからずっと、私達はお互いに夢中で、好きは降り積もる。
────奏多くんと一緒なら。
『告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜』おわり