告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
顔が赤くなるのを隠すように、私はポケットを漁り、今度は飴を取り出す。そしてそれを高田くんに差し出した。
「はい、飴ならある────」
「ダメ」
「え」
「それも俺の」
再び、私の手のひらに乗ったものが奪われていく。横暴すぎる。どういうことなの?
私がちらりと逸らしていた視線を水瀬くんに向けると、また視線が合ってしまった。怖いくらい真っ直ぐな瞳だった。
「高田にはやらない」
そこで、高田くんがぎゃーっと発狂した。人でなしとか罵倒をしながら、水瀬くんを揺さぶっているけど、本人はいつも通りの脱力気味な態度で、うるさい黙れとか言い返していたけど、私の心境はパニック同然だった。
何でここまで私の行動を邪魔するの?もしかしなくても、からかわれてる?どんなつもりでこんなことしてるの?
「(嫌だ。やっぱり私は水瀬くんが苦手だ)」
もやもや、むうっと唇を一直線にしている私の横で、有菜ちゃんが口を手で覆い呟いた。
「まじかー」
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