告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
────学校が終わり、電車に揺られ帰宅中。
いつも下校の学生が一杯で当たり前のように立っているけど、今日は運良く目の前の席が空いて座れてよかった。
窓の外の景色がどんどん流れていき、やがて見慣れた地元の光景に変わっていく。
今日はチョコを水瀬くんに取られた以外、別に変わったことはなく、逆に有菜ちゃん伝に新しい友達ができたりして楽しい一日だった。
……しかし水瀬くん、いつも高田くんや男子と会話する時でさえ気怠げなのに、今日のチョコ事件ではやけにはっきりものを言っていたな。私をからかうためにしては、やけに真面目顔だったし。
「(相当お腹減ってたのかな……)」
あの後、授業が終わったら、水瀬くんはさっさと教室に帰って行った。まぁ、それが有難かったけど。
家の最寄り駅にゆっくりと電車が停車し、人にぶつからないよう注意しながら降りる。すると、隣の車両からさっき考えていた人物が降りてきた。隣には幼馴染の美人先輩。
私は目が合わないよう、さっさと背を向けて階段に向かって歩く。
すると、後ろから当然声がした。