告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
「助けたのこの人ですよ」
したかったのに。真横から発せられた声で、私の考えは呆気なくなかったことにされる。私は驚きのあまり、ぽかんと口を開き水瀬くんを見上げる。水瀬くんの気怠げな表情からは何も読み取れなかった。
水瀬くん、私の後ろを歩いていたのは知っていたけど、まさか後ろでずっと聞いていたの……?というか、美人先輩は?
OLさんは水瀬くんの言葉を聞き、パァッと表情を明るくする。
「やっぱりそうだった……!あの時は本当にありがとう!すごく助かったの」
「いえ、そんな大それたことではないです……」
「ううん。ああやってみんなが目を逸らす中、手を差し伸べてもらえてすごく嬉しかったから」
「!それならよかったです」
「それで、これお礼なんだけど食べて?」
OLさんは、鞄からキレイにラッピングされた小箱を取り出し、私に差し出す。