告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
庇ってくれたんだよね……?涙が引っ込んだ代わりに、なんとも言えない嬉しさが身体の奥から湧いてきて、心臓を締め付けられる。こういうことがあると、決まっていつも俯いてやり過ごしていたから、庇ってもらうのは生まれて初めてだ。
そうこうしているうちに授業が終わり、有菜ちゃんとクラスメイトの女子が駆け寄ってきた。
「凛子!大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ」
「ほんと、あいつら最低だよね!」
「片山さんはおかしくないよ」
「私が行こうと思ったら、先に水瀬が出てったからタイミング逃してさ」
「ありがとう、けど本当に大丈夫だよ」
「あんな奴らのこと、絶対気にしちゃダメだからね。凛子は可愛いんだから」
みんなに囲まれ、ホッと安心していると、その後ろを水瀬くんが通り掛かる。
一瞬視線が合い、今度は逸らさずぺこりと頭を下げ、感謝の気持ちを込めて微笑むと、水瀬くんは驚いたように目を見開き、バッと目を逸らした。
────あれ?
「(水瀬くんから目を逸らされたの、初めてだ)」
※※※