告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
「開けまーす」
誰も居ないのは分かっているけど、薬箱から薬をもらうのに一応声を掛ける。そしてパクリ薬を飲み込み、雨が酷くならないうちに帰ろうと立ち上がる。──すると。
「えっ」
すると、ベッドを囲む白いカーテンが揺れた気がした。
もしかしたら誰か寝ていたのかな?出来心から、ほんの少しだけ開いた隙間から中を覗く。
「(水瀬くんだ)」
そういえば6限目、教室に居なかったのは体調が悪かったからなんだ。
水瀬くんは、毛布に包まりまるで猫のように丸まっている。閉じられた目を縁取る睫毛が長くて羨ましい。……って、そうじゃなくて。
見入ってないで、とりあえず帰らなきゃ。そして明日、会ったら絶対今日のお礼を言おう。早く水瀬くんの体調がよくなりますように。そう思った時……。