告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
「いません。……ここに寝てるの、私の友達で」
考えを巡らせた挙句、咄嗟に嘘をついてしまった。
美人先輩は、私のことを疑いもせず、ふーんそうなんだ。と困ったように眉を下げた。
「分かった、ありがとう」
「いえ。さようなら」
「またね」
ガラガラとドアが閉まり、胸を撫で下ろす。先輩には申し訳ないけど、病人優先だ。
とりあえず、私は自分の役目を全うした。そう思い、鞄を持って歩き出そうとした瞬間、突然手首を掴まれた。
「ひっ、なにっ」
私を掴んだ手は、カーテンの向こうから伸びていた。私が言葉を失っていると、ゆっくりとカーテンを開け、水瀬くんがベッドの上からこちらを見上げていた。