告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
私の手首に触れる水瀬くんの手が温かくて、それがこちらに伝染してくる。なんで私、引き止められてるの?
「……ごめんね?起こしちゃった?」
「平気。愛理が来たあたりで起きたから」
「うそ!じゃあ、私が、嘘ついたのも……」
「知ってる」
水瀬くんは何でもないように頷くが、私はとても気まずかった。本当は先輩と帰りたかったんじゃ?そう思うと、勝手なことをして本当に申し訳なくなる。
「ご、ごめ──」
「俺の体調心配してくれたんだろ」
「……えっ、何で分かるの?」
「片山さん優しいから」
────優しいから?
私は水瀬くんに、優しくしたことなんてほとんどない。というより、あんなに沢山のクラスメイトの前で私を庇ってくれた水瀬くんの方が優しいと思う。