告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜



 身体は熱いままだし、触れられていた手首なんて、感触がまだ残ってる。

 あのまま、水瀬くんの言葉を聞いていたら、今頃私は倒れていたんじゃない……?




「こ、告白……だったのかな?自意識過剰過ぎ?」


 
 けど、今回理解した。やっぱり私には告白予約が必要だ。

 奇襲のように近くに来られても、受け入れるだけのキャパシティがないし。とにかく前もって言ってもらわなきゃ心臓が持たないよ。

 ……けど、どうしよう。逃げてしまったけど、水瀬くんの体調はもう平気なのかな?



「……ほんと、熱い」



 身体の熱さはなくなったけど、頬の熱だけは消えない。

 昇降口の向こうは、もう土砂降りになっていた。傘を差し、外に出るとより一層ザーザーと音を立て、傘に雨粒が叩きつけられる。私はそれを見つめながら、さっきの水瀬くんの言葉の続きを考え続けていた。




※※※
< 40 / 177 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop