告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
心配そうに私のおでこを触る有菜ちゃんに、そうじゃないんだよ心配させてごめん……。と心の中で謝る。すると、突然私達に影が落ちた。何事だと思い顔を上げると、そこには────。
「水瀬くん、どうしたの?」
「!!」
私の席の目の前に、水瀬くんが立っていた。明らかに肩をびくつかせ、動揺する私をよそに、水瀬くんはなにを考えているのか分からない、冷静な表情でこちらを見下ろしている。そして、ゆっくりと口を開く。
「片山さん」
「はい……」
「昨日の続き、いつ聞いてくれるの」
「っ…………」
────昨日の続きって、昨日の私が遮った話の続きってこと?
私は口をパクパクと開閉し、言葉を失う。
な、なにも教室で爆弾を投下することはないと思う……!!有菜ちゃんがすごく興味深げに私の顔を見てるし、ここでそんなこと言われても、私はどうしたら……!
けど、続きを聞かない限り、水瀬くんはこうやって場所を選ばず追い詰めてくるのかもしれない。だったらもう……。
「今日、」
「うん」
「今日の、放課後……非常階段で」
「了解」
私の答えに、水瀬くんはどこか満足そうに返事をすると、自分の席へと戻って行った。
もう、どうにでもなれ。そして万が一告白をされたら、私なんかよりずっと水瀬くんに似合う人がいるから、どうか勘弁してくださいとお断りしよう。