告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
「あの、私……田中くんのこと、そういう目で見たことがなくて」
「…………うん」
「田中くんは良い人だとは思うんだけど……ごめんなさい、お付き合いは」
「待って、そんなわけないでしょ?」
そんなわけないとは、どんなわけ?!
私は田中くんの言葉にポカンとしてしまう。どういうこと?まさか、断られる想定をしていなかったっていうこと?
田中くんは、若干パニックになる私をよそに、言葉を続ける。
「だって、男子の中だと一番俺と話してくれてたじゃん」
「それは、日直で一緒だから」
「俺と話すと、いつも顔赤くしてたし」
「ごめんなさい……男子と会話することに慣れてなくて、勝手にこうなるの」
「は?それって思わせぶりじゃね?」
「え?」
「とにかくいいじゃん。付き合ってから好きになったりするし、今日から彼女になって」
「それはっ」
「責任取れよ」
田中くんはわたしの答えが気に食わなかったのか、イラついたように突然私の手首を掴み、立ち上がらせる。掴まれた手首が痛くて、なんだかすごく悲しくなった。
田中くんのことを良い人だと思ってたのに、それは下心ありきの優しさだったことにきづけなかったこと。そして、体質のことを思わせぶりだと言われたこと。それが悲しくて仕方がない。