告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
雨ばかりだった梅雨の合間の晴れた空。気温がぐんと上がり、少し歩くだけで顔がほんのり熱るけど、それでもやっぱり晴れが好きだ。
登校する生徒達の波に乗り、校門を抜けてやっと学校に辿り着いた。下駄箱で上履きに履き替えながら、肌にペタリとくっ付くワイシャツの気持ち悪さに顔をしかめる。
電車内の熱気のせいで汗をかいちゃったから、教室に着いたらスプレーしないと……。
「はよ」
下駄箱を閉じたタイミングで背後から声をかけられ、肩が跳ねた。
ゆっくり振り返ると、そこには昨日告白予告をした水瀬くんが立っていた。半袖のワイシャツの腕の部分を軽く捲り、暑そうに胸元をパタパタと動かしている。
「お、おはよう」
「すげー暑い。溶けそう」
「溶ける?」
「暑いと溶けそうになんねー?」
「え、ならないよ」
「じゃあどうなんの」
「どうなるって……こう、ぐでってなる」
「それ溶けてんじゃん」
水瀬くんは靴を下駄箱にしまいながら、楽しそうに笑った。ツボに入ったのかな?