告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
「……い、いいよ?」
「ほんとに?」
「うん、ほんと。けど門限あるから30分だけね」
「やった」
私の言葉で水瀬くんはやっと腕を離してくれた。そして二人並んで階段を降り、ホームに並ぶ椅子に座る。
電車が行ったばかりで、人もまばらだ。
「片山さん達何してたの?」
「えっと、マックで色々話してた」
「どんな話?」
「体育で先生のズボンがずり下がった話とか……?」
「え、何それ詳しく聞きてー」
「えー、ふふっ、あのね……」
その後、水瀬くんは私の話す先生の事件でひとしきり笑った後、バッティングセンターでの高田くんの奇行について話してくれたり、とにかく笑いと驚きが尽きなかった。途中で挟む沈黙も気まずくはなくて、男子と二人でいるのに、まるで水瀬くんが特別みたいに私と同じ空間に馴染んでいる。
そしてなんとなく、今なら聞けると思った。
「水瀬くんは、なんで私のこと好きになったの……?」