告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
「そしたら片山さん、わざわざ乗ってた電車飛び出してきて、あの人のこと助けただろ。それで助けた後、恥ずかしそうに顔を赤くしてて。目立つの苦手なんだなって思った」
「……うん」
「それで、自己紹介とかでも恥ずかしがってたの思い出して、そんな人がこんな勇気のいることするんだって思ったら、なんかこう心臓鷲掴みにされた」
ポツリポツリと、水瀬くんの口からゆっくりと気持ちが吐き出されていく。自分に対する想いを聞いているのに、何故か恥ずかしくは感じなかった。
「それに見てたら、片山さんって、男子苦手なのに無視はしないから」
「……それは、一応」
「自分だけのこと考えたら、顔赤くなっちゃうんだし無視すればいいのに、ちゃんと相手のこと考えてる」
「……ありがとう」
「あと、有菜さん?と話してる時の笑顔がすげー可愛い。俺にももっと笑って欲しい」
「そ、それは……もう少し馴れないと」
笑って欲しいと言われても、急には無理だよ。水瀬くんは私の顔を期待の眼差しで見つめているけど、今はできない……!
焦っている私をよそに、水瀬くんは口を開く。ホームに電車が滑り込んできて、ブワッと風が吹いた。
「見る度話す度好きになる。とにかく俺は片山さんがいい」