告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
────本気なんだ、水瀬くんは本気で。
私が真剣な言葉に圧倒されていると、水瀬くんは椅子から立ち上がり、私の手首を引いた。保健室と同じだ、水瀬くんの手のひらの熱は私に伝染する。熱くてたまらない。
「30分経った。帰ろ」
電車に乗り込み、ドアの前に二人で立つ。電車が発車しても掴まれた手首はそのままだった。
聞いたことを後悔するくらい、予想を大きく超える程の直球な想いだった。もっとふわっとした答えが返ってくると思っていたのに、ちゃんとした、私がいいという理由が水瀬くんの中にあったんだ。
胸の奥がきゅーっと甘く締め付けられる。自分をちゃんと見た上で好きになってもらえることが、真剣に想われることが、純粋にここまで嬉しいことだなんて私は知らなかった。
この想いに対して、私はきちんと向き合わなきゃ、自然とそう思えた。もう荷が重いなんて言えない。
「(ちゃんと見極めた上で答えを出さなくちゃ……)」
水瀬くんといると、私の赤面症は酷くなる一方だ。