告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
「片山さん、俺も撫でて」
「えっ……?な、撫でないよ」
「ケチ」
なんとなく予想していたけど、それは水瀬くんだった。
撫でて欲しそうに私を見ているけど、そんなこと教室で出来るわけない。というかそんな恥ずかしい要求しないで欲しい……!
ここ最近、水瀬くんの距離の詰めかたは激しくなっていて……というより、甘えようとしてきてる?そう錯覚するほど、気付くと猫のように私の傍にいる。
水瀬くんは諦めたのか、口を尖らせながら立ち上がり、こちらに寄ってきた。
「俺が撫でよ」
くしゃりと、大きな手が頭の上に乗った。私の髪の毛を掻き回すように撫で、それは離れていく。たったそれだけのことなのに、私の頬にはぼっと熱が集まった。
それを見て、水瀬くんは悪戯に成功した子供のように微笑む。
「かわいー」
「っ!!」
「ねぇ、このクソ暑いのにここでイチャつかないでよ……」
「イチャついてない!」
「片山さん声でか」
水瀬くんは楽しげにもう一度笑うと、ふらっと教室から出て行ってしまった。も、もう少し距離をとって欲しい。
有菜ちゃんは迷惑そうにこちらをじーーっと眺めている。
「日に日に水瀬くん距離感なくなってない?」
「なくなってるよ。パーソナルスペースどうなってるんだろう……」
「まぁ、予約するくらいだから、必死に押してるんだろうね」
「あの、片山さん」
有菜ちゃんが再び机に突っ伏すと、今度はクラスメイトの女子が話しかけてきた。どちらかというと、中心グループに属すような派手な女の子で、私は驚く。