告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
昼休み、お弁当を忘れた私は購買に来ていた。
うちの購買は激戦で、パン一つ、運良くメロンパンが買えたら嬉しいなんて思いつつ、私は人集りに入る。
「あった……!」
なんとか足を進め品物の前にたどり着くと、そこには購買名物アップルパイがあった。私はメロンパンとアップルパイを手に取り、購買のおばちゃんにお金を渡して人集りを抜ける。
そして、教室に向かって廊下を歩いていると、派手な髪の毛をした男子三人が前から歩いてきた。
背も高く、見るからに派手でチャラそう。私とは住む世界の違う人間だ、そう思い廊下の端に移動する。少しでもすれ違う時にぶつかったら怒鳴られそう。
「片山?」
────ビクッ!!
突然名前を呼ばれ肩が跳ねる。恐る恐る振り返ると、チャラそうな三人組の真ん中の男子と目が合った。
短い髪の毛をアッシュグレーに染めていて、耳にはピアス。見るからに怖い。そんな怖い相手の意志の強そうな目に見つめられ、私は震え上がり、顔が赤くなっていく。
チャラ男さんは、ズンズンとこちらに進んできて、ピタリと私の目の前で立ち止まる。
というかこの人、なんで私の名前を知ってるの……?