告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
「あ」
「お、どした?」
「…………陸くんが変わる少し前に、男子から私達かわれて。お前ら付き合ってんだろって」
「うん」
「陸くん、その時すごくすごく顔を赤くしてた。そのすこし後から、陸くんは変わったんだ」
「……そっか、納得いった気がする」
納得って何が?聞こうとすると、有菜ちゃんは立ち上がる。そして、私の手を引いた。
「……簡単に忘れられることばかりじゃないけど、今日私は凛子の秘密の半分、引き受けたから。話すだけで少しは心が軽くない?」
言われた通り、何故か胸の奥にずっとあった重りようなものが少しなくなった気がする。有菜ちゃんはイタズラに微笑んだ。
「大丈夫。過去に酷いことが起きてどんな傷があっても、ちゃんと進んでる。もしもまたそんなことが起きようものなら、私がぶっ飛ばす」
「……ありがとう、有菜ちゃん」
「大好きだよ凛子。だからもう、自分のことが大嫌いなんて言わないで」
有菜ちゃんの声が少し震えていた。私は答える代わりに、ぎゅっと有菜ちゃんに抱き付いた。
お互いの秘密を引き受けあって、私達の傷はきっと、少しずつ癒えていく。
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