告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
『だから、もっと自信持っていい』
「そ、うなの?」
『誰がなんと言おうと、片山さんは可愛いから』
「……ありがとう」
『なんにも気にすることはないよ』
きっと、遠回しに陸くんとのことを言ってくれてるんだと思う。あの廊下の騒ぎで何かを察したんだろう。
────こんなにいい人が私を好きなんて、夢なんじゃないかと疑う。けど、これは現実だ。この前水瀬くんに駅のホームで証明された。
胸がぎゅーーーーっと締め付けられ、悲しくないのに幸せで泣きたくなる。こんなこと初めてだ。私も、水瀬くんを大切にしたい。幸せな気持ちにしたい。
「み、水瀬くん……私にして欲しいことない?」
『え?』
「これだけ優しくしてもらって、私も何か水瀬くんにお返ししたい」
『お返し……』
水瀬くんは私の言葉を噛み砕くようにゆっくり繰り返した後、しばらく黙る。
確かに、急にお返しなんて言われても困るよね。
そして、少し間を開けて水瀬くんの声が聞こえた。