告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
『いいの?見返りなんて求めて』
「え、それはもちろん」
『俺、片山さんのこと彼女にしたいと思ってるんだけど』
「…………あっ」
『お返しはいいよ。それより告白予約、今実行したら成功率どれくらい?』
成功率、どれくらい?
それはつまり、今私に水瀬くんが告白したとして……恋人になれるかどうかってことだよね?
急に恥ずかしくなってきた……!!そうだよね、水瀬くんは私と恋人になりたいから予約してるんだもん、そうなるよね。分かってはいたつもりだけど、改めて聞かれるとパッと答えが出ない。
けど、水瀬くんの存在は私の中で確実に大きくなっている。最初はあまりに恐れ多くて、断ることしか頭になかったけど、今は────。
「えっと……結構、いい感じ、かも」
『いい感じ?』
「うん」
『俺のこと、ちゃんと意識してるって捉えるよ』
「…………う、うん」
『じゃあ、頑張ってもっと押してく。明日、一緒に学校行こう、心配だから』
電話の向こうから聞こえる声色が少しだけ明るくなる。
普段はポーカーフェイスに近くて、何を考えているか分からない。どちらかというと近寄り難いのに、一度懐に入り懐かれると、色んな一面を見せてくれる。まるで猫みたいで、少しだけ可愛い。
『早く俺に絆されてね』
そして、少しだけ愛おしい。
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