告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
顔が青ざめた私を見た陸くんは、顎でこっちに来いと合図し私の首根っこを放した。この隙に逃げることも考えたけど、昨日追いかけられて陸くんの脚が私より速いことを知っているから、諦めてその後を追った。
なにより、こんなに人が多いところで騒ぐのも気が引けるし……。
私はゆっくりと陸くんの後を追い、陸くんは時々こちらを見て、私がついてきているかを確認した。
「ここ、座れ」
連れて来られたのは、駅を出てすぐの広場にあるベンチ。先に座った陸くんの隣を一人分空け、恐る恐るそこに座る。
ダメだ、やっぱり怖い。何を言われるの?話ってなに?もう嫌だ、やっぱり逃げたい────。
「昨日は悪かった」
足元のローファーを見つめていた視線をハッと上げる。今、陸くん……謝った?
陸くんは顔を上げた私を、射抜くように真剣に見つめていた。