告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
私の疑問に、陸くんはゆっくりと顔を上げ、こちらに視線を向けた。そして唇をギュッと結んだ後、意を決したように口を開く。
「……あいつらに、お前と付き合ってるってあの頃しつこくされてただろ?」
「うん」
「……俺はお前のこと、好きだったから」
「…………え」
「バレたくなかったし、その気持ちを揶揄われたくなかった。だけど、否定すればするほどヒートアップして、あいつらの癇に障ったのか、無視されるようになって」
────無視?
一気にあの頃の記憶が蘇ってくる。そうだ、あの頃徐々に陸くんは元気がなくなっていって、私は心配してたんだ。学校でも一人でいることが多くなって、クラスが違うから、どうしたのかと聞いても何も教えてくれない。
なんで忘れてたんだろう。大切なことだったはずなのに。