告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
「許してくれなくていい。こんな謝罪独りよがりだって分かってる」
「じゃあ、なんで」
「あの頃言ったこと全部嘘だ。そんなことないんだって、伝えたかった」
「…………」
「凛子は何もおかしくなかったし、何も悪くなかった。俺は、凛子のこと嫌いじゃない、好きだった」
「……陸、くん」
「悪い、本当にごめん。傷付けてごめんな」
────ポロッと目から涙が溢れ、スカートを握り締めていた手の甲を濡らす。
まるで、ずっと暗い闇に沈んでいた心を掬い上げられたかのように錯覚するほど、やっと、心の底から納得ができて安心した。
私は、心から信じていた人に突然軽蔑されてしまうほど、最低な人間なのかもしれない。私が普通と違うから、すぐ顔が赤くなるから、揶揄われて当たり前なんだ。私が変でみんなが普通なんだと、呪いのように自分の心を縛っていた。
本当は陸くんに嫌われて悲しかったし、理由を聞きたかった。もっとたくさん遊んで、たくさん話したかった。引っ越してしまった後のアパートを見に行っては、思い出を引きずりずっと辛かった。
知れてよかった。されたことは簡単に許すことはできないけど、何も知らないまま陸くんを憎み生きていくのも幸せではない。