竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~
(やっぱり今日は様子がおかしいかも)
ミレイナは抵抗するのを止めると、逆にジェラールの背中に手を回した。なんとなく、そうしてあげたほうがいい気がしたのだ。
「やはり俺にはお前しかいない」
「え?」
ミレイナの首筋に顔を埋めたまま、ジェラールが小さな声で呟くのが聞こえた。
(何がお前しかいないのかしら?)
気にはなったものの、今は聞かないほうがいい気がしてミレイナは口を噤む。
代わりに、ジェラールを安心させるかのように広い背中を撫でてあげた。