竜王陛下のもふもふお世話係２～陛下の寵愛はとどまるところを知りません～
　先日はジェラールの様子がおかしかったので、ミレイナは日を改めて魔獣や動物をペットとして飼うために必要な道具がラングール国には揃っていないかもしれないとジェラールに相談した。それに対し、ジェラールはそれらを作ることを約束してくれた。
　その製作に当たっては、ジェラールの妹であるセシリアが全面的に協力してくれた。元王女であるセシリアはラングール国有数の名門貴族──マイヤー家に嫁いでおり、マイヤー家はラングール国で最大の商社を所有しているからだ。

「あ。そういえば、もうひとつ頼まれていた物も」
「本当ですか？」

　手に持っていたブラシをテーブルに置いたセシリアは、持っていた小さなバッグを開ける。そして、テーブルの上に小ぶりなリボンを置いた。黄色のリボンには小さな留め具が付いている。

「可愛い。ありがとうございます！」

ミレイナは表情を明るくし、セシリアにお礼を言った。
　これは、普段からお洒落に気を使うエミーユにプレゼントしてあげたら喜ぶかと思って作ってもらった物だ。エミーユ達がしている金のチェーンの首飾りにアクセントとして付けられるようになっている。

（エミーユ、喜ぶといいな）

　ミレイナは尻尾をブンブンと振ってはしゃぐエミーユの様子を想像し、表情を綻ばせた。

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