竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~
「ゴーランと何か話し込んでいるように見えたが?」
「それは……、この子は人間が罠を仕掛ける現場を見たようで、私達のことをその仲間だと警戒していたんです。だから、私達は味方だと伝えていました」

 ジェラールのことを夫と紹介されたことが恥ずかしく、ミレイナはその部分は伝えずに内容を告げる。ジェラールは特に疑問を持つこともなく、納得したようだった。

「手当てをしてやるため、連れて帰ろう」

 ぐったりとした魔獣をジェラールが抱き上げる。

「そうですね」

 ミレイナ達は、散歩を切り上げて王宮へと戻るために歩き始めた。

[ゴーラン、なんであんなでたらめを言ったのよ?]

 歩きながら、ミレイナは横を歩くゴーランにこそっと話しかける。

[違うのか?]
[違うよ! 今はまだ──]

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