竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~
[人は連れていなかったって。ただ、動物が入った檻を前足からぶら下げていたって]
[動物が入った檻?]

 それを聞いた魔獣達は一斉に顔色を青くする。

[もしかして、ウサギの姿で連れて行かれちゃったのかな?]

 イレーコが不安げに言う。

[なんでウサギの姿になっていたのかしら? 普段はならないのに]

 エミーユが不思議に思い呟くが、答えがわかるものはおらず、皆一様に首を傾げる。

[とにかく、助けに行こうぜ!]

 シェットがラトが先ほど教えた方向に走っていこうとするのを、ゴーランが[待て!]と制止する。

[闇雲に探しても見つけられない。方向があちらとわかっているなら、全員で手分けをしよう。それらしい匂いを感じたら、三回遠吠えしろ。ラトは俺と一緒に]
[[[うん、わかった!]]]

 魔獣達は一斉に頷く。そして、それぞれが自分の相棒の竜人と共にミレイナを捜しに向かったのだった。

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