竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~
(足をバチンってやられて?)

 それを聞いて、すぐに思い当たることがあった。
 先日怪我をしたフェンリルを保護した際、その後ろ足には刃物が挟まるタイプの罠が食い込んでいた。

(もしかして、ここにいる魔獣はみんな罠にかけられて捕まえられてきた?)

 ミレイナは暗闇に目を懲らす。だいぶ目が慣れていて先ほどより辺りの状況がより性格に認識できた。

 部屋の大きさは五メートル四方程度だろうか。そこに、少なくとも十匹以上の魔獣が閉じ込められている。外と繋がっているのは高い位置に付いている通気口の小窓と入り口のドアだけのようだ。

(どうしよう)

 急激な不安が込み上げる。
 このまま、自分はどうなってしまうのだろう。

(ジェラール陛下……)

 ミレイナはじわりと涙が出そうになるのを感じた。もし人の姿だったら、間違いなく泣いていたと思う。
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