竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~
──ワオーン。
どこからか、フェンリルの遠吠えが聞こえる。
耳を澄ましたそのとき、ミレイナは微かに人が話す声が聞こえるのに気付きハッとした。
話をしている場所が遠いのか本当に微かな声なので、耳がよいウサギ獣人のミレイナでなかったらまず気が付かなかっただろう。
「明日、今日までに捕まえた奴らを売りに出そう。特に小さいフェンリルはよく売れるから、今回はボロ儲けだな」
「あの今日捕まえたやつはどうだ?」
「あれは竜王陛下がお気に入りの動物と同じらしいからな。フェンリルの十倍ぐらいの値段でいいんじゃないか?」
「もっとふっかけてもいいんじゃないか?」
「よし。三十倍にしよう。侯爵様にも金をもらえるし、明日は豪遊だな」
続けて「ひひっ」と下品な笑い声がする。
(これは、私を捕まえた人達の声?)
その声は、今日の夕方に突然現れてミレイナをここに連れ去ったふたり組の声によく似ていた。
(金儲けのために、魔獣の罠に仕掛けているってこと?)
底知れぬ怒りが湧くのを感じた。
どこからか、フェンリルの遠吠えが聞こえる。
耳を澄ましたそのとき、ミレイナは微かに人が話す声が聞こえるのに気付きハッとした。
話をしている場所が遠いのか本当に微かな声なので、耳がよいウサギ獣人のミレイナでなかったらまず気が付かなかっただろう。
「明日、今日までに捕まえた奴らを売りに出そう。特に小さいフェンリルはよく売れるから、今回はボロ儲けだな」
「あの今日捕まえたやつはどうだ?」
「あれは竜王陛下がお気に入りの動物と同じらしいからな。フェンリルの十倍ぐらいの値段でいいんじゃないか?」
「もっとふっかけてもいいんじゃないか?」
「よし。三十倍にしよう。侯爵様にも金をもらえるし、明日は豪遊だな」
続けて「ひひっ」と下品な笑い声がする。
(これは、私を捕まえた人達の声?)
その声は、今日の夕方に突然現れてミレイナをここに連れ去ったふたり組の声によく似ていた。
(金儲けのために、魔獣の罠に仕掛けているってこと?)
底知れぬ怒りが湧くのを感じた。