竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~
(あの高さは難しいかも……)

 試しに力一杯ジャンプしてみたが、半分くらいの高さまでしか飛べなかった。

[何やっているの?]

 先ほどの一角獣がおずおずと話しかけてくる。

[出口を探しているの。逃げて、誰かに知らせないと]
[そんなこと、できるの?]

 一角獣が驚いたように目を瞠る。

[できるわよ。任せて]

 ミレイナは力強く言い切る。
 ミレイナは元々怖がりだ。こんな状況、普通だったら震えて泣いてしまいそうだ。
 実際、先ほどまでは泣きそうだった。
 けれど、ここで何とかできるとすれば自分しかいないという思いが勇気を奮い立たせた。

(──とは言っても、どうしようかしら)
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