竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~
 ミレイナが悩みつつその小窓を見つめていると、不意に月明かりが遮られる。

(雲が出てきた?)

 しかし、すぐに違うことに気付いた。
 小窓のところで何かが動いているのが見えたのだ。

 ミレイナは目を凝らす。

(あれってもしかして──)

[ラト! ラトじゃない?]

 小窓で蠢いていたものがピタリと動きを止め、こちらを窺うように見下ろしてきた。

[ミレイナ? そこにいるの?]
[やっぱり! ラト、助けて。沢山の魔獣が閉じ込められているの]

 ミレイナは力の限り、叫ぶ。

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