竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~

(竜と人間か……)

 ミレイナがその絵に見入る。
 姿形も違えば言葉も通じないひとりと一匹は、どうやって恋に落ちたのだろう。

「何を見ている?」

 ジェラールがミレイナの視線の先を追う。

「これ、今まで気付かなかったのですが神話のワンシーンなんですね」
「そうだな。竜人の始祖の、出会いのシーンだ」

 ジェラールの答えは、ミレイナの予想通りだ。

「ミレイナ、機嫌を直せ。今日もミレイナためにお前が好きそうなものを沢山用意した」

ミレイナはジェラールのほうを向く。ミレイナが絵を見つめているのを、へそを曲げてそっぽを向いていると勘違いしたようだ。

「好きなものを食べろ」
「はい。ありがとうございます」

 ミレイナは慌てて正面を向く。

(うーん、どれにしようかな)

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