竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~
ミレイナはここのところ、毎日のように魔獣達を魔獣の森に連れて行っている。散歩をしているという他に、これにはもうひとつ理由がある。
もしも可能ならば、彼らを家族の元に戻してあげたいと思ったのだ。
魔獣の森を歩いていれば、偶然見覚えがある場所を通りかかって家族の元に返れる子もいるかもしれない。
[よし。出発よ]
ミレイナはいつもの四匹に加えて、八匹の魔獣の計十二匹を連れて歩き出す。
(今日はお天気がいいから、絶好のお散歩日和だなあ)
見上げると抜けるような青空が広がり、ところどころに綿菓子のような雲が浮いている。その雲がゆっくりと右から左へと流れていた。足下には白いお花がたくさん咲いている。
「おや、お散歩ですか?」
前方から歩いてきた中年の男性が、ミレイナを見て立ち止まる。
(この方は確か、マリベル様のお父様のブレンダン侯爵?)
白髪の交じる長い髪を後ろに纏め、豪奢な貴族服を着ているその人は、王都近郊のナルト地方を治めるブレンダン侯爵だ。
王妃教育の一環で、国内貴族についても一通り学んだ。ナルト地方は王都から近い上に金鉱山があるため経済的に潤っており、故に発言力も強い人物だったはずだ。
「はい。天気もよいのでこの子達を散歩に連れて行こうかと」
ミレイナも足を止めた。
もしも可能ならば、彼らを家族の元に戻してあげたいと思ったのだ。
魔獣の森を歩いていれば、偶然見覚えがある場所を通りかかって家族の元に返れる子もいるかもしれない。
[よし。出発よ]
ミレイナはいつもの四匹に加えて、八匹の魔獣の計十二匹を連れて歩き出す。
(今日はお天気がいいから、絶好のお散歩日和だなあ)
見上げると抜けるような青空が広がり、ところどころに綿菓子のような雲が浮いている。その雲がゆっくりと右から左へと流れていた。足下には白いお花がたくさん咲いている。
「おや、お散歩ですか?」
前方から歩いてきた中年の男性が、ミレイナを見て立ち止まる。
(この方は確か、マリベル様のお父様のブレンダン侯爵?)
白髪の交じる長い髪を後ろに纏め、豪奢な貴族服を着ているその人は、王都近郊のナルト地方を治めるブレンダン侯爵だ。
王妃教育の一環で、国内貴族についても一通り学んだ。ナルト地方は王都から近い上に金鉱山があるため経済的に潤っており、故に発言力も強い人物だったはずだ。
「はい。天気もよいのでこの子達を散歩に連れて行こうかと」
ミレイナも足を止めた。