竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~
「ジェラール陛下、お待たせいたしました」

(え?)

 ミレイナはハッとしてパチッと目を開ける。
 入り口にいるラルフ、それに、その後ろに控えるウォルトとしっかりと目が合った。

「…………」

 いつだかと同じようなシチュエーションに、羞恥からミレイナの顔は一気に熱くなる。

「いやー!」

 この日もミレイナの悲鳴が王宮に響き渡ったのだった。

    ◇ ◇ ◇

 ジェラールは眉間に手を当て、はあっと息をつく。

「ラルフ。お前は最近、タイミングが悪いときにドアを開けるのに関して天才的だな」

 そして、羞恥のあまりに穴があったら入りたく、でも穴がなかったのでウサギ姿に変わってしまったミレイナを膝に抱く。

「申し訳ございません。しかしながら一言言わせていただきますと、気持ちを通わせてからのミレイナと陛下は四六時中いちゃいちゃしておられますので、誰がいつドアを開けてもタイミングは悪いかと思います。それに、ノックはしました」

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