竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~

 ラルフの冷ややかな制止に、ジェラールはうぐっと言葉を詰まらせ、ドアノブに伸ばしかけていた手を引っ込める。確かに、痛みに苦しむミレイナを見て動揺し、少々取り乱した自覚はある。

「少々ではありませんよ。一生懸命に対応する医師や助産師を魔法で無意識に威嚇するなど、言語道断です」

 ラルフはまるでジェラールの考えていることを見透かしたように、ぴしゃりと言い放ったのだった。



 竜王妃となったミレイナの懐妊が発覚したのは半年以上前のこと。

 目覚め際に気持ちが悪いと言うことが増え、いつも美味しそうにもりもり食べていた食事も受け付けなくなった。
 ミレイナが大病を患ったのではと心配したジェラールはすぐに国一番と誉れ高い名医を手配した。その結果、医師に笑顔で「おめでとうございます」と言われ、ジェラールが大喜びしたのは言うまでもない。
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