竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~
[本当だわ。なんか聞こえるね]
エミーユが言う。
[なんか、嗅いだことがない匂いがするよ]
イレーコが、鼻をひくひくさせる。
[俺もそんな気がする」
シェットも同じように鼻をひくひくとさせた。
「あっちだよな? よし、見に行ってみよう]
[あ、待って]
ミレイナは慌てて制止したが、その前にシェットは走り出した。
[私も行く!]
[待って。僕も!]
残る二匹のフェンリル──エミーユとイレーコまで、その後に続いて走り出す。
[ちょっと待って──]
ミレイナが止めるより早く、二匹のフェンリル達も走り出していた。
そして、あっという間に小さくなってしまった。