竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~
[王様や王子様を守る騎士よ]
[騎士?]
馬に乗る護衛兵のこと。アリスタ国の人は竜になれないから、馬に乗るの。
[ふーん]
シェットは興味深げにアダムを見上げる。
シェットを見返したアダムの頭から、次の瞬間に尖った耳がぴょんと生える。よく見ると、お尻の辺りから長く黒い尻尾も生えていた。
[こんにちは。アダムというよ。僕はアリスタ国で近衛騎士をしている]
アダムはにこりと微笑んで自己紹介した。
一方のシェットは驚いたように目を見開いた。
[お前、俺達の言葉を喋れるのか?]
シェットが驚いた様子で話しかける。
[もちろん。ミレイナと同じ、獣人だからね]
[へえ!]
シェットの尻尾がブンブンと左右に揺れる。アダムに自分の言葉が通じると知り、一気に親近感が湧いたようだ。