竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~
[護衛兵ってことは強いのか?]
[まあまあだね]
アダムは腰に片手を当ててシェットを見下ろす。
[どれ位強いの? ウォルトとどっちが強いかな?]
[ウォルトって?]
[俺の相棒!]
シェットは得意げに答える。
シェットの言うウォルトとは、シェットを従獣として授けられたジェラールの側近のことだ。本名をウォルト=オルコットといい、軍人でありながら、オルコット侯爵家の長男でもある。焦げ茶色の髪を短く切りそろえた、凜々しい男性だ。
[ねえ、遊んで]
途中から会話を聞いていたエミーユが、おずおずとアダムを見上げる。
[エミーユ、駄目よ。アダムさんはお仕事があるの]
ミレイナはしゃがんで、エミーユを諭そうとした。