竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~
ミレイナは入れ替わるように、先ほどラルフが座っていた場所に座った。
「今日は何をしていた?」
「午前中は魔獣達のお散歩をしました。魔獣の森を一時間ほど歩いて、戻ってきてからは王宮の広場で追いかけっこをして。午後は、お茶会の作法のレッスンをしました」
「そうか」
ジェラールは頷く。
「来賓の方々ももういらしているのですね。馬車が沢山停まっているのを見かけました」
「ああ。今日の午前中から、到着し始めている。今夜は、簡単な歓迎の晩餐会を行う予定だ」
そこでジェラールは言葉を止めてつとミレイナを見つめる。
「ミレイナも参加するか?」
「え!? 無理です。まだ、礼儀作法も完璧ではありませんし」
「そうか。残念だ」
ジェラールはがっかりとした顔をしたものの、ミレイナに無理強いすることはなかった。
(そうだわ。アダムのことを──)
猫獣人のアダムのことを話そうかと思ったが、口を開く前にミレイナは思いとどまる。