竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~
(もっと練習して、美味しい紅茶が淹れられるようになりたいな)
それで、それをジェラールに飲んでもらって美味しいと微笑んでくれたならどんなに嬉しいだろう。
そんなミレイナの心の内を読んだかのように、ジェラールが口を開く。
「魔導具の件は悪かった。俺が沸かし直してやるべきだった」
「いえ、そんなことは」
「また淹れてくれるか?」
「もちろんです」
はにかんで頷くミレイナを見つめ、ジェラールの目元が優しく細まる。
──トン、トン、トン。
そのとき、部屋のドアをノックする音がした。
「なんだ?」
ジェラールが入室を許可すると、顔を出したのは先ほど退室したばかりのラルフだった。
「ラルフ? どうした?」
「ご休憩中に申し訳ございません。本日の夜のことで、至急ご相談したいことが──」
ラルフが申し訳なさそうに眉尻を下げ、用件を告げる。