竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~
(今夜ってことは、晩餐会のことかしら?)
「わかった」
ジェラールはミレイナの淹れた紅茶を一気に飲み干すと、空になったティーカップをソーサーに置く。
「すまない、ミレイナ。急用ができた」
「いえ、大丈夫です。私こそ、お忙しい日に何も考えずにいつものように来てしまい、申し訳ございませんでした」
ミレイナは慌てて立ち上がる。ジェラールは眉根を寄せると、ミレイナの片手をがしっと掴む。
「この埋め合わせは近日中にどうにかしよう」
「埋め合わせだなんて──」
「俺がしたいんだ」
真摯な瞳で見つめられてそう言われると、断ることもできない。
「じゃあ、お願いします」
「ああ、必ず」
本当はミレイナと一緒に過ごしたかった。そう言われている気がして、気持ちが浮き立つ。