竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~
「お久しぶりです、ジェラール陛下。この度は素晴らしい会にお招きいただき、ありがとうございます」
「遠いところ参加してくれ、こちらこそ礼を言おう」

 ジェラールとリックは固く握手を交わす。リックはミレイナのほうを見る。

「ミレイナ、久しくしていたね。元気にしていたかい?」
「はい。とても楽しく過ごしていました」

 ミレイナはリックに笑いかける。

(リックさんはやっぱり、こうやって見ると王子様だなぁ)

 少し長めの短髪は煌めく金色、濃紺のフロックコートは金糸の刺繍がふんだんに施された豪華なものを着ている。少し垂れた目元のせいで柔らかな物腰は、ジェラールとはまた違う魅力に溢れていた。

「あの方がパルデリック殿下?」
「素敵ね」

 周囲のご令嬢達がこそこそと話ながら、リックのほうへちらちらと視線を送っている。きっと、話しかけるタイミングを窺っているのだろう。

(確かにかっこいいよね。でも、私はジェラール陛下のほうが……)

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