竜王陛下のもふもふお世話係２～陛下の寵愛はとどまるところを知りません～

「ジェラール陛下。この度は──」

　ジェラールがまた外国の来賓に声をかけられる。

「ミレイナさん。あちらでふたりで話さない？」
「はい。是非」

　ミレイナはクレアに誘われ、会場の端に寄る。

「今回、初めてラングール国に来たけれど、素敵なところね」
「はい」
「それに、ジェラール陛下もとても素敵な方だわ。私の体調も気遣ってくださってお優しいわね。見た目はともかく、話せば全然〝白銀の悪魔〟じゃないわ」

　クレアは少し離れたところで挨拶に来た人達と会話しているジェラールのほうを見る。

「実はね、私とジェラール陛下の婚約の話が出ていたの」
「はい」

　ミレイナは内心ドキッとしながらも、相づちを打つ。