竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~
「ミレイナ、少し話をしないか?」
「話? はい」
ジェラールが庭園を見下ろすように手すりに肘をついたので、ミレイナもその横に立ってそちらを眺めた。
先ほどは気が付かなかったが、庭園のさらに先、城壁の向こうに無数の光が揺らめいているのが見える。城下の明かりだろう。
「先ほど、会場の隅で男と話しているのが見えた。あれはアリスタ国の獣人らしいな? 近衛騎士をしていると、リックから聞いた」
「先ほど話していた? ああ、アダムさんですね!」
ミレイナは表情を明るくする。
ミレイナは全く気が付いていなかったけれど、ジェラールはアダムとミレイナが喋っているところ見ていたようだ。
「アダムさんは、アリスタ国で最初に近衛騎士団入りした人のひとりなんです。猫獣人で、獣化すると黒猫になるんですよ」
アダムのような存在は、アリスタ国で獣人の地位が上がっていることを如実に示すいい例だ。そのことが嬉しくて、ミレイナはアダムのことで知っていることを夢中で喋る。
魔獣達とも遊んでくれたんです、と言いかけて、それは言わないほうがいいかと口を噤んだ。先日の魔獣達の楽しそうな様子が脳裏に甦り、ふふっと自然に笑みが漏れた。
「話? はい」
ジェラールが庭園を見下ろすように手すりに肘をついたので、ミレイナもその横に立ってそちらを眺めた。
先ほどは気が付かなかったが、庭園のさらに先、城壁の向こうに無数の光が揺らめいているのが見える。城下の明かりだろう。
「先ほど、会場の隅で男と話しているのが見えた。あれはアリスタ国の獣人らしいな? 近衛騎士をしていると、リックから聞いた」
「先ほど話していた? ああ、アダムさんですね!」
ミレイナは表情を明るくする。
ミレイナは全く気が付いていなかったけれど、ジェラールはアダムとミレイナが喋っているところ見ていたようだ。
「アダムさんは、アリスタ国で最初に近衛騎士団入りした人のひとりなんです。猫獣人で、獣化すると黒猫になるんですよ」
アダムのような存在は、アリスタ国で獣人の地位が上がっていることを如実に示すいい例だ。そのことが嬉しくて、ミレイナはアダムのことで知っていることを夢中で喋る。
魔獣達とも遊んでくれたんです、と言いかけて、それは言わないほうがいいかと口を噤んだ。先日の魔獣達の楽しそうな様子が脳裏に甦り、ふふっと自然に笑みが漏れた。