竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~
「あいつの話をするときは随分と楽しそうなのだな。随分と妬かせてくれる」
「え?」

 普段より一段低い、機嫌の悪さを思わせる声にミレイナは戸惑った。
 きっとジェラールは獣人の地位向上をミレイナと一緒に喜んでくれると思っていたのに予想外な反応だった。

「ミレイナは、まだアリスタ国に帰りたいと思うことがあるのか? 伴侶となる男は、自分と同じ獣人がいいと思っているのか?」
「何を言って……」

 なぜそんな話に話題が飛躍したのかがわからなかった。

「お前を笑顔にするのは、いつも俺であればいいと思う」

 持ち上がったジェラールの手がミレイナの頬へと伸び、その指先は愛しげに肌を撫でる。

 秀麗な顔が近付いてきて、唇に柔らかい温もりが触れた。

「ミレイナ、俺はお前を気に入っていると言ったはずだ。あまり妬かせるな」

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