竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~
 ミレイナは大きく目を見開き、自分の指先で唇に触れる。

(今、キスした?)

 想像すらしなかったことに、ミレイナは呆然としてジェラールを見返した。

「もっとはっきり言わないとわからないか? 俺はお前を妻にしたいと思っている」

 ジェラールは言葉を止めるとミレイナの手を握り、その手を持ち上げると今度は甲にキスを落とす。

「お前を愛している」

(うそ……)

 言われている言葉は理解できるけれど、状況が理解できなかった。

(愛している? 私を?)

 これまでも、ジェラールからは再三に亘って『気に入っている』や『可愛い』などと告げられていた。
 けれど、それはペットに構うような感覚で言っているだけだと思っていた。
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